ビーズ分離:スクリーンタイプ
ビーズミルの粉砕効率を左右する要素の1つがビーズの分離性能です。
ビーズ分離機構を大別すると、以下のようになります。
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今回は 1.スクリーンタイプ について述べたいと思います。
スクリーンタイプ
スクリーンタイプの歴史は古く、1952年に開発されたデュポン社のサンドグラインダー、1963年に日本のビーズミル第1号機となった五十嵐機械製造(現AIMEX)のサンドグラインダーは、いずれもスクリーンタイプです。
スクリーンタイプは、竪型ミル(a)、横型ミル(b)のようにそれぞれに採用されていて、おのおのに工夫が凝らされています。
ビーズが摩耗してビーズ径が小さくなると、スクリーンに目詰まりが起きて大きな圧力がスクリーンに掛かることから、目開きが小さく線径の細いスクリーンは強度を考えて選定しなければなりません。
スクリーンの目開きとビーズ径の関係は、スクリーンの目開き寸法の1.5倍がビーズ使用限界粒径の目安で、50μm以下のビーズではスクリーンの強度から目開き寸法の2倍を使用限界粒径とすることが望ましいとされています。
目開きが20μmと50μmのウェッジワイヤー式スクリーンで、水の通過量を実験した結果を以下に示します。
清水圧力が水中で50mmの静止状態の水は、20μmの目開きでは清水は流出せず、50μm目開きでウェッジワイヤーのスリットからかろうじて滴を形成しながら少量の流出が確認されました。
目開きが20μmのウェッジワイヤー式スクリーンでスクリーンを回転させたら、少量の水が通過しましたが、短時間でごくわずかな配管内の汚れやミル内の汚れと思われる水中のSS(浮遊物質)が20μmの目開きを塞いで水が通過しなくなりました。
次回はギャップセパレータータイプを解説します。
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ギャップセパレーターについて
遠心分離タイプについて
ビーズ分離それぞれのメリットデメリットはこちら
ギャップセパレーター、遠心分離、スクリーン式、バッチ式の長所短所を表にしています。
<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会
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