1-2.ビーズミルの分類~撹拌構造とビーズ分離方式~

ビーズミルの分類~撹拌構造~
弊社のビーズミルNVMはディスク型ですが、その他にもピンカウンター・ピン型、アニュラーギャップ型と呼ばれるミルがあります。
ピン型は、ディスク型と比較するとエネルギー密度が高い、つまり粉砕力が強いという特長があります。それに伴い発熱と摩耗は多くなります。
アニュラーギャップ型は、更にエネルギー密度が高くなるため、ディスク型、ピン型よりも発熱・摩耗が多くなります。スケールアップが難しいという通説もあります。処理が行われるのは、ローターの外側で、大型機でも外側でのみ処理が行われるというイメージです。つまり、良い結果をもたらす領域の体積が稼ぎづらいので、スケールアップ性が高くないと言われています。発熱の制御もスケールアップすればするほど難易度も増します。ローターが大型化する傾向もあるので、セラミックで作っているとコストが上がる、というデメリットもあります。
ビーズミルの分類~ビーズ分離方式~
ビーズミルをビーズ分離方式で分類すると以下の表のようになります。
構造 | ビーズ分離方式 【参考AIMEX機】 |
概略図 | 対応ビーズ径目安 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|---|---|
連続式 竪型 or 横型 |
ギャップセパレーター ビスコミルNVM |
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φ0.3~2.0mm | ・高粘度対応 ・確実なビーズ分離 ・目詰まりなし |
・最大吐出量はスクリーンに劣る ・小径ビーズ不可 |
遠心分離 Neo-アルファミル |
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φ0.03~0.3mm | ・小径ビーズ対応 ・目詰まりなし |
・ビーズ流出リスク | |
スクリーン | ![]() |
φ0.1~2.0mm | ・幅広いビーズ径に対応 ・開口面積大=大吐出 ・確実なビーズ分離 |
・スクリーン目詰まり ・スクリーンは金属製 |
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バッチ式 | 底部スクリーン or 別工程分離 イージーナノ |
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~φ2.0mm | ・処理ムラが少 ・条件出しが容易 ・メンテナンスが容易 ・トラブル率圧倒的に低い |
・生産効率低 |
連続式におけるビーズ分離で分類すると、ギャップセパレーター、遠心分離、遠心スクリーンの3つに分けられます。
メリットデメリットありますが、最大の特徴は、「使えるビーズ径の目安」です。
遠心分離式が一番小さいビーズまで使用できます。また、目詰まりもありません。
遠心スクリーンは、スクリーンが回転して遠心力で目詰まりを防止しています。幅広いビーズ径を使えますが、スクリーンの目詰まりが問題となります。さらにスクリーンが基本的に金属で構成されることが多いため、コンタミの問題とどう付き合うかがデメリットと言えるでしょう。
バッチ式は、別工程でビーズ分離を行うため、ビーズ径の下限はありません。スクリーンの目開き次第となります。
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