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粉砕室内部材ごとの摩耗の特徴

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粉砕室内部材ごとの摩耗の特徴

ビーズミルは、粉体媒体のビーズを粉砕室の中で強力な力で撹拌することで、ビーズに運動エネルギーを付与し、この運動エネルギーを持ったビーズに粒子を捕捉させて摩擦、衝突、せん断、ずり応力などのビーズが持つエネルギーで砕料粒子を微粒子化します。そのために、ビーズ同士の摩擦、衝突、せん断、ずり応力などによるビーズの摩耗は避けられません。
同じようにビーズにエネルギーを与える撹拌機構も摩耗します。ただ、撹拌機構を取り付け回転させる主軸の摩耗は軽微です。粉砕室容器(ベッセル)は粉砕室全体の中では比較的摩耗が少ないですが、撹拌機構の近くはビーズの衝突、摩耗、せん断、ずり応力などによって摩耗します。硬い砕料粒子によっても著しく摩耗が促進され、溶媒の種類によっても摩耗に近い差が出てきます。

粉砕室部材の摩耗

粉砕室内を大別すると、撹拌主軸と撹拌部品、ビーズとスラリーの分離部、粉砕室容器(ベッセル)、容器の両端部に分けられます。ビーズミル粉砕室内の摩耗はビーズの材質、撹拌機構の周速、砕料や溶媒、固形分濃度、スラリーの粘度などによって摩耗の早さに違いがあります。処理物、処理条件、運転条件によって摩耗の進み方に違いがあるので、おのおのの部品に対する標準的な耐用時間は決められません。
したがって、ビーズミルを導入した時、処理物の粒子径の変化に注意すると同時に、700~1,000時間ごとに定期的な開放点検を行い、各部の重量や寸法を測定して摩耗の進捗度を記録することが望ましいとされています。そして、それぞれの部品の交換時期を把握することが大切です。

撹拌機構の摩耗

粉砕室部材の中でもっとも摩耗の激しい部材は、撹拌機構のディスクやピン、アーム、ローターです。 粉砕室部材の摩耗は、粒子の固さや回転数の大小、溶媒の種類、固形分濃度、スラリー粘度などが影響します。 撹拌機構の摩耗はビーズが出口側に偏るようなスラリー供給量になると、出口側の撹拌部品が急速摩耗します。そして、撹拌機構の摩耗は粉砕性能に影響します。ディスクやローターに突起部があると粉砕性能は高まりますが、突起部分の摩耗は早いです。ディスクに設けたピンの上面が摩耗で0になると粉砕性能は14~16%低下し、ピンがなくなると20~22%低下します。 アニュラータイプの撹拌機構はローターですが、ローターが円筒のままでは粉砕性能が劣るので、円筒面にいろいろな突起を設けています。ローターと粉砕室のシリンダーの間が狭く、突起部分はビーズの強い衝突を受けるので摩耗が激しくなります。突起部の上面がなくなると、急速に粉砕性能が低下します。
突起部のないディスクの粉砕性能は、摩耗が進んでも粉砕性能の低下は軽微です。穴あきディスクは外周リングが摩耗で千切れそうになっていても、粉砕性能の低下は少ないといわれています。
突起部のローターの粉砕性能は、突起部のあるローターに対して著しく性能が低下します。性能を高めるためにローターの周速を高速にすると運転動力が大きくなります。

ビーズ分離部

ビーズ分離部の摩耗は、図に示すように、ギャップセパレーターとアニュラープレートセパレーターに顕著に見られます。
ギャップセパレーターとアニュラープレートセパレーターについてはこちらの記事を参照してください。
摩耗例
ギャップセパレーターの場合、狭い隙間を硬い粒子のスラリーが高速で通過することと、通過部が高速回転していることによる摩耗、ビーズが小径化してギャップセパレーターに噛み込まれて早期摩耗や破損を起こすことがあります。
アニュラープレートの場合は、ローターとアニュラープレートの間隔が狭く、ビーズのエネルギーが直にアニュラープレートに影響することから摩耗の進みが早いです。

粉砕室容器

粉砕室容器(ベッセル)は他の粉砕質部材に比べると摩耗の度合いは少ないといわれています。しかし、ディスクやピン、アームなどの近くはビーズの衝突、摩擦による摩耗は避けられません。
流通管型ビーズミルの粉砕室容器の摩耗例を下図のようになります。
粉砕室の摩耗
へこみの部分はディスクやアームなどの位置で、ビーズの衝突力や摩耗力が大きいのでこのように摩耗します。
アニュラータイプの粉砕室はローターとシリンダーの間隔が狭いために、双方とも直接ビーズから強いエネルギーを受けることから全面が摩耗します。

続きはこちら

摩耗とコンタミネーション2

硬い砕料による摩耗、ビーズの摩耗、溶媒と摩耗

摩耗とコンタミネーション

コンタミネーション防止対策は処理物に対して安全な材質を選定することに尽きます。

<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会
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