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ビーズ分離:ギャップセパレーター

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ビーズ分離:ギャップセパレーター

ビーズミルの粉砕効率を左右する要素の1つがビーズの分離性能です。
ビーズ分離機構を大別すると、以下のようになります。


  • スクリーンタイプ
  • ギャップセパレータータイプ
  • 遠心分離タイプ
  • 遠心分離・スクリーン併用タイプ

今回は 2.ギャップセパレータータイプ について述べたいと思います。

ギャップセパレータータイプ

ギャップセパレータータイプは竪型ビーズミル、横型ビーズミルの双方に回転ロータータイプ、多層アニュラープレート(環状円盤)タイプがあります。

回転ロータータイプ

回転ロータータイプ

ギャップセパレーターは竪型ミル(a)、横型ミル(b)のような方法でいずれにも採用されています。回転ロータータイプには、撹拌機構の主軸を利用して、回転ローターを設けて固定ステーターとの間にギャップを設ける方法と、撹拌機構とは異なる動力により、撹拌機構の主軸と別駆動の回転ローターを設けて、固定ステーターとの間にギャップを設ける方法がある。
ギャップセパレーターのギャップはおおむね50μmから30μmとして、このギャップによってビーズとスラリーを分離します。ギャップセパレーターのギャップは、ビーズの噛み込みによる破損防止から、最小ビーズ径に対して1/3のギャップが望ましいとされています。
以下にギャップ間隔と分離できるビーズ粒径の限界を示します。


横にスクロールしてご覧いただけます。

  撹拌機構の主軸利用したギャップセパレーター(NVM型) 撹拌機構と別駆動の回転ローター(UVM型)
粉砕室容量 10L以下の中・小型機 10L以上の中型・大型生産機 -
ギャップ間隔の限界 100μm程度 150μm 60μm
分離できるビーズ粒径の限界 0.3mmφ 0.45mmφ 0.15mmφ

撹拌機構と別駆動のローターは、低速回転が可能であることから、60μmのギャップ間隔とすることができます。60μmのギャップ間隔であっても、ローターの回転によって流体の境膜が掻き取られることから、高粘度流体でも問題なく通過します。
撹拌主軸取り付けローター、別駆動ローターのどちらも大型機になると、構造的にギャップの径が小さくなり、スラリー通過面積が狭くなることから、小型機に対して吐出流量が著しく減少するので、高粘度スラリーや、大量吐出量については慎重に検討しなければいけません。

回転体と流体境膜回転体と流体境膜
ミル容量とギャップセパレーターの断面積比率ミル容量とギャップセパレーターの断面積比率

多層アニュラープレート

多層アニュラープレートタイプは、図(a)のように10~20枚前後のアニュラープレート(環状円盤)を組み合わせた物で、連続式ビーズミル、バッチ式のバスケットミルに採用されています。
それぞれのアニュラープレートの間には、100~600μmのギャップを設けて、ビーズとスラリーを分離します。アニュラープレートのギャップを20~30μmにすると、静止しているギャップ面には図(b)のように流体の境膜があることから、境膜の抵抗によって清水のような低粘度流体でも通過できません。多層アニュラープレートのギャップセパレーターで分離できるビーズは0.15mmφが限界です。

多層アニュラープレート
(a)多層アニュラープレート

アニュラープレートの流体境膜(b)アニュラープレートの流体境膜

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ビーズミルの基礎・プレミキシング

遠心分離タイプについて

ビーズミルの基礎・プレミキシング

スクリーンタイプについて

ビーズ分離それぞれのメリットデメリットはこちら

1-2.ビーズミルの分類

ギャップセパレーター、遠心分離、スクリーン式、バッチ式の長所短所を表にしています。


<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会


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