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ビーズミル使用前におさえておきたい3つのポイント

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ビーズミル使用前におさえておきたい3つのポイント

ビーズミルを通す前の注意点をいくつか紹介します。考えなければいけないものは大きく分けて「処理物の性状、性質、目標値の整理」「スラリー配合の検討」「プレミキシング」の3つです。

1.処理物の性状、性質、目標値の整理

  • 処理前粒子径(D50,D99)
  • 目標粒子径(D50,D99)
  • 粘度
  • 温度条件
  • 評価方法 粒度分布測定(レーザー回折、動的光散乱)、SEM、結晶性、フィルター濾過…他


ビーズミルで処理するにあたって、よく「○○ミクロンを△△ミクロンまで処理したい。」という依頼があります。
実は、これでは非常に曖昧な情報で、的確な条件が選定できません。例えば、「D50=1μm のものをD50=0.1μm にしたい。」という場合と、「D50=1μm のものを D99=0.1μm にしたい。」という話は全く異なります。D50=1μm でも D99=100μm である場合は、選定する条件が変わってきます。つまり、処理前と目標の粒子径は平均(D=50)とトップ(D=99)を押えておくことが重要です。

次は粘度です。分からない場合も多いですが、粘度はスラリーの流れ方に関わるファクターであり、ビーズ選定に重要な情報です。粘度によって遠心分離状況が変化したり、ビーズの運動エネルギーロスや、高い粘度による粉砕強度低下を考え大径ビーズを使用検討するなど、ビーズ径選定にも深く関わってきます。

温度条件では、温度によって物性の変わるスラリーが存在するため注意が必要です。例えば温度を 40 度以下で処理をしないとスラリーが変性してしまうということもあります。

評価方法は、粒度分布測定が一般的です。こちらの評価では、ある大きさの粒子がどれだけあるかを知ることができますが、粒子形状、安定性や結晶性などは分かりません。例えばアスペクト比(縦と横の長さ比)を維持したまま粉砕したい場合は SEM 画像での粒子形状評価が必要になってきます。

また、同一粒度でもミル後のスラリー特性が異なることもあります。スラリーの特性、ミル条件の良否判断には、複数の評価方法が必要になってきます。評価方法の特徴を踏まえて、適切な方法を選択しましょう。

グラフの例

2.スラリー配合

  • 固形分濃度
  • 分散剤種類
  • 分散剤濃度
  • 溶媒種

スラリーの配合検討は、ビーズミルの運転条件以上に結果が左右される最重要項目です。ビーズミルの成功の鍵は運転条件ではなく、スラリー配合にかかっていると言っても過言ではありません。スラリー配合は、分散の3要素のうち「濡れ」と「安定化」において非常に大きな影響を与えます。スラリー配合における注目点は、粘度と到達粒子径、生産性です。ビーズミルは、機種によって対応可能な粘度が異なるため、それに応じた粘度以下にすることが望ましいです。

また、高粘度になる程、小径ビーズが使いづらい、効果が発揮されない傾向となります。目標粒子径に応じてビーズ径を選定するため、ビーズ径と粘度の関係に注意することも重要な点となります。

一般的に固形分濃度が高い程、生産性は向上しますが、同時に到達粒子径が悪化することもあります。特に、微粉砕/分散になる程、粒子間距離が近づくため凝集しやすくなります。粘度、到達粒子径、生産性のバランスが重要となります。

3.プレミキシング

  • 「濡れ」、「だまの解砕」・・・ビーズミルの安定稼動・効率化・品質安定化に寄与

3番目はプレミキシングです。「濡らし」「だまの解砕」をビーズミルに通す前にすることで、安定稼動、効率化、品質の安定化に寄与する重要なポイントです。1-6.プレミキシングでも前述した通り、濡れずにだまが残っているとポンプの閉塞、ビーズミルの効率悪化を招いてしまいます。これを防ぐためには、ディゾルバー羽根を使用して機械的エネルギーを与えたり、分散剤の添加をしたりする必要があります。
例えば全く濡れない物を湿式ビーズミルで分散することはできません。粉に対して適切な溶媒・分散剤を配合することが、ビーズミル処理を始めるにあたって重要なことです。

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