ビーズ分離:遠心分離タイプ
ビーズミルの粉砕効率を左右する要素の1つがビーズの分離性能です。
ビーズ分離機構を大別すると、以下のようになります。
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今回は 3.遠心分離タイプ 4.遠心分離・スクリーン併用タイプ について述べたいと思います。
遠心分離タイプ
0.2mmφ以下の極小ビーズは、ギャップセパレーターではスラリーとビーズの分離ができません。遠心分離タイプは、0.2mmφ以下の極小ビーズの分離を目的に開発されたビーズ分離方式で、遠心分離機構をビーズミル出口部に設けて、ビーズとスラリーの分離を行う方式です。
遠心分離方式の竪型ビーズミルは、スラリーの上昇速度とビーズの沈降速度がビーズ分離に大きな影響を及ぼします。
0.2mmφ以下のビーズの沈降速度は以下の式で計算されます。
式で明らかなように、粘度μの影響は非常に大きく、処理液の流速がビーズの沈降速度を上回るとビーズは外部に流出します。
遠心分離・スクリーン併用タイプ
2000年に行われたアメリカのクリントン大統領の「ナノテク宣言」以降に、各ビーズミルメーカーが一斉にスクリーンや遠心分離、遠心分離とスクリーン併用で0.1mmφ以下の極小ビーズが使用できるという連続式ビーズミルを相次いで発表しました。遠心分離・スクリーン併用タイプは、ビーズが遠心分離部から流出することに備えて、遠心分離機構の後にスクリーンを設けています。
ビーズ分離それぞれのメリットデメリットはこちら
ギャップセパレーター、遠心分離、スクリーン式、バッチ式の長所短所を表にしています。
<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会
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