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スケールアップの保証範囲とこれから

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スケールアップの保証範囲とこれから

スケールアップと保証

スケールアップと保証
ビーズミルのスケールアップに対する保証は、ユーザー、メーカーのいずれにとっても神経を使います。契約交渉でもっとも時間を費やす部分です。
ユーザーが望む性能は、到達平均粒子径、最大・最小粒子径、標準偏差、比表面積、粘度です。これらは処理原料とフォーミュレーションによって著しく変化しますが、テスト条件と同一条件のスケールアップ以外は、メーカーは保証できません。
生産能力は目的とする到達平均粒子径の達成いかんによります。メーカーの過大なスケールアップ効率見込みによるトラブルは論外ですが、重質炭酸カルシウムのように生産地による処理原料の違いや、処理物のフォーミュレーションによって大きく変動します。
冷却能力は、スケールアップによる大型機の運転条件がテスト条件と異なる場合は、撹拌機構の回転数を除いてビーズミルメーカーの責任範囲外です。撹拌機構の回転数はテスト条件からスケールアップ設計を行う時に、回転数の変動はビーズミルメーカーが検討していなければなりません。
動力は処理物の比重と粘度、撹拌機構の回転数にも左右されるが、処理物の比重と粘度がテスト時と異なる時は動力も変動します。処理原料とフォーミュレーションはビーズミルメーカーにとってはブラックボックスであり、ブラックボックス部分に対しては保証できません。
基本的にビーズミルメーカーがスケールアップに対して保証できる範囲は、機械構造と材質です。材質はユーザーから開示された情報の範囲内でメーカーは保証します。材質選定で注意すべきは溶剤です。混合溶剤中にBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)が微量でも存在すると問題が発生しますし、脂肪族系のDMAC(N,N-ジメチルアセトアミド)は熱的・科学的に安定なことから各種反応溶剤として使用されますが、シール部品やセラミックスの接着剤などを浸すことから問題が起き易いです。
新材料開発が著しい最近の傾向は、粉体名、溶媒名すら開示されないこともあります。性能や材質に対してユーザーから情報がなかった時は、ビーズミルメーカーのできることは、問題が発生したとき、誠意を持って解決に協力することです。

スケールアップの新しい試み

スケールアップの新しい試みとしては処理物に対する投入動力や、コンピューターが身近なものとなったことから、離散要素法モデルを基本とした粉砕媒体運動のシュミレーション法、相似即などが提唱されています、
実際のスケールアップは、新物質の開発から生産プラントに移行する時に行われるビーカースケール、ベンチスケール、パイロットプラントと手順を踏む段階的な実験による経験則がビーズミルにも当てはまり、もっとも確実な結果となっています。
ビーズミルのスケールアップで、新しい試みを行う時に注意しなければならないことは、ミル内の短時間滞留にもかかわらず、処理物の微粒子化に伴って処理物の状態が大きく変化することです。
大型化したときにミル内の流動状態、伝熱状態が小型機と異なる現象を起こすので、新しいスケールアップの研究では、流動、伝熱などで予想できないいろいろな現象をどのように反映させるかがスケールアップの成否となります。

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ビーズミルの基礎・プレミキシング

遠心効果Zは、スケールアップの重要な因子です。

ビーズミルの基礎・プレミキシング

望ましいスケールアップのステップは、粉砕室容量が小型機の10~15倍の機械で確認テストを行うこと

<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会


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