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スケールアップを成功させるために

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スケールアップを成功させるために

スケールアップは各種のプラントや単位操作機器に共通した重要な課題で、慎重に対応しなければなりません。ビーズミルのスケールアップは失敗することもあります。ビーズミル導入後のトラブルとして大きくクローズアップされる問題は、

1)生産能力が出ない 2)目標の粒子径にならない 3)発熱の制御が出来ない
といった3点です。

ビーズミルによる粉砕・分散は取り扱う処理物がミルの大小に係わりなく、ミルに供給されてから吐出されるまでの数十秒から十数分という短い時間にもかかわらず、一般的には砕料粒子の微粒子化に伴って処理物の物性が大きく変化します。この物性の変化がスケールアップを難しくしています。
スケールアップはビーズミルメーカーそれぞれの経験とノウハウによって行われています。ビーズミルの粉砕室内では、処理物流体の物性が時々刻々と変化しながら流動して系外に排出されていることと、大型機になると流動、伝熱などで予想もしなかったいろいろな現象が生じることがあるので慎重に取り組まなければなりません。

小型機によるテスト

粉砕効率は機械が小さくなればなるほど良い結果が出ます。小型機によるテストは、scienceとengineeringを追求する2つの目的があります。
粉砕によって固体物質がどこまで微粒子化できるか、メカノケミカル反応で長時間にわたり粉砕エネルギーを与えることで処理物の化学構造や結晶構造がどのように変化するか、などを知るための"science"を追求する目的のテストでは、どのような運転条件でも差し支えありません。しかし粉砕処理によって得られた産物を生産規模に展開するための"engineering"を追求したテストでは、常にスケールアップを念頭に置かなければなりません。
スケールアップを目的としたテストでは、フォーミュレーションを変化させながらビーズ径・材質・充填量、スラリー供給量と入口・出口温度、冷媒供給量と入口・出口温度、負荷電流、スラリー粘度の変化、スラリー吐出状態、微粒子化の進捗状況などについて慎重に観察しなければなりません。

アイメックス製の小型ビーズミルは2種類あります。
イージーナノRMBは、非常にイージーなビーズミルです。少量から誰でも簡単に処理を行うことができ、条件出しに最適です。
レディーミルRMH型は、連続したテストができ、生産に移行する際にはスケールアップも可能な機種です。


望ましいスケールアップのステップ

ユーザー各社から提供して頂いた情報によると、小型機から大型機にスケールアップをして失敗した例のほとんどが粉砕室容量を20倍以上にした時です。ビーズミルメーカーによっては粉砕室容量が1L前後の小型テスト機のデータを基に、50倍、100倍というような大型機の導入を推奨して失敗しているケースもあります。
粉砕効率は、機械が小さくなればなるほど良い結果が出ますが、ビーズミルの粉砕室内では処理物流体の物性が時々刻々と変化しながら流動しています。小型機ではこの変化が軽微で把握が難しく、スケールアップで思いがけない結果となる理由はここにあります。
経験によりますと、望ましいスケールアップのステップは、粉砕室容量が小型機の10~15倍の機械で確認テストを行うことです。

スケールアップに必要なデータ

ケールアップは、テスト機で試作したサンプルと同じ製品を生産機で製造しなければなりませんが、製品の品質は到達平均粒子径、最大・最小粒子径、標準偏差、比表面積、粘度、熱劣化の有無などであり、これらは処理原料とフォーミュレーション、ミルの冷却性能などによって著しく変化します。
スケールアップの重要なポイントは、できるだけ計画能力に近いテスト機でテストをすることです。小さなテスト機では、大型生産機との相似形状が取りにくいです。
スケールアップを行うためのテストで取得すべきデータを以下に記します。



・プレミキシング時間 ・処理物の供給量
・処理物の供給温度と排出温度 ・冷却媒体の供給量
・冷却媒体供給温度と排出温度 ・粉砕処理時間
・撹拌装置の回転数 ・周速度(翼先端速度)
・撹拌動力 ・投入動力
・処理前粒子径と処理段階ごとの粒子径と粒度分布 ・処理前処理物の粘度と処理段階ごとの粘度
・粉砕媒体の径と充填量 ・処理段階ごとの処理物の色と光沢


処理原料とフォーミュレーションやテスト機によって得られた試作品の評価などは、ユーザーの決定事項です。

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遠心効果Zは、スケールアップの重要な因子です。

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<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会


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