凝集防止のメカニズム

凝集防止
液中の粒子は、エネルギー障壁(※1)のある雰囲気に保っておけば再凝集しません。液相中では電気的な反発力によってエネルギー障壁を作り、凝集を防げますが、粒子が小さくなるとこのエネルギー障壁が粒子に比例して小さくなるため再凝集します。
この再凝集を防止するには分散剤の使用や、砕料に与えるエネルギーの調整などがあります。固体微粒子を液中に分散させて、安定な分散液を作るのに用いる界面活性剤(※2)などの凝集防止剤や、解こう(膠)剤などを一般に分散剤といいます。乳化剤と分散剤を合わせて乳化分散剤ともいいます。
分散剤の機能は界面張力の低下、粒子相互間の反発力の付与などです。顔料、化粧品、合成樹脂工業、塗料、潤滑油、農薬、インキなどに用いられます。分散剤はいずれも高分子で分子量は10,000前後です。
砕料粒子がシングルナノ粒子に近くなり、高分子の分散剤サイズが粒子径≒分散剤サイズ⇒架橋形成をします。

※1 ポテンシャルエネルギーの高い状態
※2 分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)を持つ物質の総称。身近な例では、洗剤など。
よくある質問
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<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会
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