ナノ分散における支配的因子はスラリー配合
ナノ分散について~はじめに~
ナノ分散の事例を紹介するにあたってお伝えしておきたいことは、ナノスラリーが欲しい場合は、一次粒子径がすでに数十ナノの処理物を、分散・解砕処理をすることで生成するということです。純粋な粉砕処理でのナノスラリー化は極めて困難になります。ナノ分散を考える上で重要なのは、スラリー配合です。それに加えて処理頻度が重要とされているので、小径ビーズが活躍するフィールドになります。また、どれだけ低周速できるかも問われてきます。
スラリー配合の重要性
以下は分散剤A・B・Cという分散剤を使ったテストの結果です。同じ粉でも分散剤が変われば結果も変わってきます。同じカテゴリーに属する(例・カルボン酸系)類似品の分散剤でも、全く微粒子化するものもあれば、微粒子化はするが再凝集を示すもの、経時安定性にかけるものなど様々な結果になります。
分散剤種のみ変更(類似品)して処理
結果
分散剤A:経時的に微粒子化
分散剤B:微粒子化するものの凝集傾向
分散剤C:微粒子化しない
今回の処理では、経時安定性から分散剤Aを採用するのが良いでしょう。 このように分散剤の種類によって(類似構造においても)分散挙動が異なってきます。これは実際に処理してみないと分からない部分です。このようなスラリー配合には、バッチ式ビーズミルが効果的です。
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