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スラリーの温度上昇を防止するには

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スラリーの温度上昇を防止するには

スラリーの温度上昇防止

スラリーの温度上昇を防止するには以下の方法があります。

  • スラリーの供給量を多くしてミル内滞留時間を短くすることで温度上昇を抑える。
  • スラリーの供給量を多くすることで、スラリー自身に発生熱量の一部をミル外に排出させる。
  • スラリー供給量を多くし循環処理回数を増やして、冷却器やタンク内でスラリーを冷却する。
  • 温度条件に厳しい処理物に対しては、ビーズミルに供給する前にスラリーを低温にする。
  • 冷却媒体を低温にし、供給量を多くする。
  • 粉砕室本体に設けられた冷却ジャケットは、熱伝導率の良い材質を採用する。
  • 厳しい温度条件の場合は、冷却ジャケット伝熱面積の大きい竪型ミルを採用する。

ビーズミル本体に設けられる冷却ジャケットの伝熱面積は、ミルの長さと直径の比L/Dの大きい竪型ミルが大きく、L/Dの小さい横型ミルは小さくなります。ビーズミル本体と別に冷却器を設ける場合は伝熱面積を自由にとることができますが、分解、組み立てが容易にできるようにしてスラリー側の洗浄性に配慮しなければなりません。

メカニカルシールの冷却

ビーズミルの撹拌軸は、スラリーのシールにメカニカルシールが使用されることが多くあります。メカニカルシールにはシングルメカニカルシールとダブルメカニカルシールがありますが、ダブルメカニカルシールを用いるときは摺動面の発熱量は以下の式で計算できます。

計算式

小型機では高速回転となることから発熱量も大きく、スラリーの冷却系統とメカニカルシールの冷却系統を分けることが大切で、同一系統にするとそれぞれの発生熱量が計算できません。
冷却方法にはメカニカルシールの回転を利用した自己循環冷却と、ポンプによる強制循環冷却があります。自己循環冷却は図1のように冷却タンクを設けて、タンク内の圧力をメカニカルシールのシール圧力よりも高くした状態で、シール液を冷却して循環します。ポンプによる強制循環冷却は、図2のようにシール液をタンク内で冷却して、これをポンプで循環します。いずれもタンク内のシール液冷却能力は十分な能力を持たなければなりません。

図1)シールの自己循環冷却
シールの自己循環冷却
図2シールの強制循環冷却
シールの強制循環冷却

低温度運転

温度条件に厳しい処理物に対しては、処理物をビーズミルに供給する前に低温度にすることと、冷却媒体を低温度にする必要があります。
処理物によっては、品質管理の維持から上限温度を20~25℃と抑えなければならない物があります。このような温度条件に厳しい処理物に対しては、処理物を低温度にしてからビーズミルに供給します。冷却ジャケットの冷却媒体は低温度に対応できる冷媒を用いる配慮をしましょう。

 

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ビーズミルの基礎・プレミキシング

冷却方法、ミルの伝熱計算など

<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会


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