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ビーズミルの運転動力(小型大型、L/D、竪型横型)

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ビーズミルの運転動力(小型大型、L/D、竪型横型)

小型機と大型機の違い

小型のテスト機で好結果が得られたことから大型機を導入したが、予想に反した結果となったという事例が多くなっています。ビーズミルの性能要因は撹拌機構の先端周速、ビーズ径と充填量、スラリー供給量などです。これらの中でも攪拌機構の先端周速が大きなウエイトを占めます。
小型機と大型機の先端周速を同一にするケースが多いですが、撹拌機構の直径から小型機は高速回転となり、大型機は低速回転で遠心力に大きな差があることから、大型機の粉砕力は小さくなります。

 

ビーズミルの運転動力

長さL、直径Dの比L/Dと動力

ビーズミルは撹拌機構の径がビーズミルの動力に対して大きな因子となります。撹拌機構によっても動力に違いがあり、回転数やスラリーの比重と粘度も動力に大きな影響を与えます。
ビーズミルの動力計算式にはいろいろな式が報告されていますが、重要な因子である回転体の径と回転数、スラリーの比重を端的に表した一例として以下の式があります。

P=2.15dD5N3psus

ここでPは動力、dDはディスク径、Nは攪拌機の回転数、psusはサスペンション(※1)密度で、ディスク径dDは運転動力に対して最も影響が大きいです。ビーズミルの運転条件の一つは小型テスト機と大型生産機の撹拌機構の形状と周速を同一とするケースが多くなっています。
運転動力は、撹拌機構の直径dDが大きくなると、回転数のNは小さくなりますが、上記式に示すように、直径dDの5乗で影響することから、回転数Nの3乗に対する差は大きくなります。
最新の新型ビーズミルは、従来のL/Dの考え方にとらわれない型式があります。また、100μmφ以下の極小ビーズの使用をしてナノ粒子生成を目指すビーズミルは、ミル内滞留時間を短くする傾向にあることから、L/Dを小さくする傾向にありますが、この場合でもミルの動力は撹拌機構の直径dDの5乗で影響するので、ミルの長さLが短くても動力は大きくなります。
1例として、psusを1.2として、容量が100Lのミルに対するL/Dと動力の関係を下図に示します。ディスクやローターなどの撹拌機構は径が大きくなると、動力も必然的に大きくなります。

【L/Dと動力の関係】
L/Dと動力の関係

竪型ミルと横型ミルの動力

ビーズミルの導入計画で、ミルの動力コスト計算を行う時、ミルに搭載されているモーターが適正である場合、ミルの起動時動力と定常時運転の動力に違いがあるので、ランニングコストを検討する時には注意しなければなりません。
竪型ミルは粉砕室の長さが長く、静止時のビーズの堆積高さが高いので起動時の動力は大きいですが、定常運転になると起動時の60~65%の運転動力となります。
横型ミルのビーズ堆積高さはビーズミルの直径とほぼ同等であることから、起動時の動力と定常運転動力は起動時動力が若干低下するだけです。


【竪型・横型ミルの運転動力】竪型・横型ミルの運転動力

この竪型ビーズミル、横型ビーズミルの運転動力は小型機では差が小さいですが、大型機になると大きな差が出ます。

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ビーズミルの基礎・プレミキシング

スラリーの供給量によって処理物のミル内滞留時間が変化します。処理物のミル内滞留時間の長短はビーズミルの性能に影響します。


※1 懸濁液。固体の微粒子が液体中に分散している混合物。

<引用・参考文献>
中山勉:「超微粒子・ナノ粒子をつくる ビーズミル」,工業調査会


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