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砕くとは ― 粉の製法 ―

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砕くとは ― 粉の製法 ―

粉砕は、穀類や硬い木の実を砕いて食用としたり、岩石を砕いて顔料に用い、土器や陶器の原料を作ったり、鉱石の前処理として砕いたりするなどして、数千年前の昔から行われてきました。そして、現代も行われている操作であり、人類の進化と繁栄に大きく貢献してきたが、近年ではメカノケミカル現象(※1)の活用や、ナノテクブームで粉砕による超微粒子、ナノ粒子生成に期待が持たれています。

砕く

自然界の物質は、砕き小さくすることによって利用価値が高まります。例えば動物界でも、貝や甲殻類を好むラッコは貝殻を割るのに石などの道具を使い、賢いカラスは上空から木の実を落として割ります。チンパンジーは石の上へ木の実を乗せ砕くことによって硬い殻を割り、中の実を食べることができます。
人類は、物を微粒子化することによって火がつきやすくなることを発見しました。そして石や木によって物を更に細かくすることにより利用価値が高まることを知りました。動物と人類の違いは、砕くことに対して人類は意思を持って道具となる石や木を加工したことです。そして、石器のつき臼やすり石を考えだして物を砕き、粉を作る道具としました。

粉をつくる道具

古代から現代に至る人類の歴史の中には、必ず粉が存在します。人間が利用できる自然界の物質は、そのままでは限られています。狩猟時代は、自然界の物質はそのまま利用されていました。この限られた利用できる物質以外に利用できなかった物質を、砕いて利用できるようにすることによって、人類は人口の増大に対処して文化を築いてきたし、利用できなかった物質を砕くことによって新たな利用方法を見いだしてきました。人類は自然界の物質を砕いて新しい物を作り直す工夫をすることで飛躍的に利用範囲を拡大させました。自然界の物質を改造して、これを人工的に作り直して利用する方法の最初の手段が砕くことであり、この作り直して利用する時に必ず「粉」の領域を通過するのです。

「粉」と聞くと皆さんは何を思い浮かべますか?身の回りの代表的な粉として思いつくままを記すと、小麦粉・セメント・石灰・化薬・砂・食塩・砂糖・インスタントコーヒー・化粧品パウダー・粉ミルク・粉末洗剤・歯磨き粉などさまざまなものがあります。
例)化粧品
①ファンデーション (酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、雲母、有機顔料)
②口紅 (酸化鉄、酸化チタン、雲母、有機顔料)
③頬紅(チーク) (酸化鉄、タルク、カオリン、酸化チタン、水酸化アルミ、雲母、有機顔料)
④アイシャドー、アイライナー(酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、タルク、雲母)
酸化チタンは15~200nmの超微粒子です。
日常生活では目に付かないだけで、工場規模では更に多くの粉があります。生活用品や食料品などでは目に付かない粉が、その製造工程ではたくさん出てきます。インキに使用されるいろいろな顔料、塩化ビニルの可塑剤やフタル酸塗料のフタル酸はナフタリンやオルソキシレンが気相酸化反応で高温フタル酸ガスとなってスラリー(※2)となり、脱水後、加熱蒸留されて精製された融液は冷却されてフレーク状の粉となっています。
このように、種々な製品が、多くの人の目に付く商品となる前に、砕き、粉砕して粉とされてから用いられています。

粉の製法

粉を作るには、気体、液体、固体の3形態のいずれかから出発します。今回は固体からの粉づくりを紹介したいと思います。
固体からの粉づくりは、石灰石や石英、粘土、長石などの天然に産する原料を粗砕、中砕、粉砕、微粉砕し、これを分級して粉とします。あるいは、木の実や穀類を粉砕して皮と実を分け、実を粉砕して粉にします。この固体から始まる粉づくりは石器時代から行われています。
固体から始まる粉づくりは、「叩く」「転がす」「磨る」の3種類に大別されます。「叩く」方法ではハンマークラッシャー、スタンプミル、ハンマーミルなどがあり、「転がす」方法の粉砕機には、ロールクラッシャー、エッジランナー、ローラーミル、そして「磨る」方法に、ボールミル、タワーミル、弊社で取り扱っているビーズミルなどです。




※1 機械エネルギーによって促進される結晶化反応、固溶反応、相転位反応等の化学反応のこと
※2 液体と固体粒子との懸濁液
<引用・参考文献>
中山勉:コンバーテック,加工技術研究会



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